「食品分析」(授業紹介 田中竜介 講師)

2008年10月6日

 今日は、食品科学科の講義内容の紹介として、田中講師が担当されている「食品分析 2年生後期」の講義概要について聞きました。

Q:食品の”何を”分析する方法を学ぶのですか?
 食品は様々な化学成分から成り立っていますが、私たちが一番注目すべき「栄養成分」を初めとして、「味」・「香り」・「色」・「硬さ」を決める多くの化学成分があります。この授業では、初めに述べた「栄養成分」の分析方法について学習します。

Q:水産物には「栄養成分」が多く含まれていますが、特にどの様な栄養成分の分析方法を学ぶのですか?
 皆様は「食品標準成分表」を読んだことがあるでしょうか?様々な食品の栄養成分が記載されていますが、初めの方に記載されている「一般成分」と呼ばれている、水分・タンパク質・脂質・炭水化物・灰分の分析方法を学びます。また、この結果を利用して、あなたが食事をするときに一番気にしている「エネルギー(カロリー)」の計算方法も学びます。もちろん、水産物だけではなく、その他の食品の分析方法についても学びます。

Q:その分析方法は先生が独自に開発された方法ですか?
 いいえ。そのようなことはありません。例えばある食品企業が新しい食品を開発してその栄養成分を表示することになった場合、自分たちに有利な結果を得ることができる分析方法を選ぶことになります。その結果、他社製品との比較が難しくなり、消費者は正しい判断をすることができません。
 そこで、国が分析方法を一つに定めれば、その方法で分析した結果を比較することにより消費者は正しい判断を行うことができます。この方法を「公定法」と呼び、これについて学習します。

Kieldahl soxhletapparatus
タンパク質を分析するケルダール装置 脂質を分析するソックスレー装置


Q:「公定法」について詳しく教えて下さい。
 日本の場合「文部科学省 科学技術・学術審議会 資源調査分科会 食品成分委員会」が作成しました。様々な食品・栄養成分の分析方法について検討され、その方法はマニュアル化されています。

Q:分析方法を学ぶだけで、実際食品の分析は行わないのですか?
 3年生前期に行われる「食品分析実験」で、この授業で学習した方法を利用し分析を行います。この実験では、学生の皆に自分が興味のある魚を持参してもらい実験を行っています。様々な魚種が揃いますので、実験結果は多種多様で、自身が持参した魚や他の学生が持参した魚の成分を知ることにより改めて魚の栄養価値を知ることができます。

experiment1 experiment2
3年生前期「食品分析実験」の様子

「分析」と聞いて少し難しいかな?と思いましたけど、身近にある食品についての分析方法を学ぶことに興味を持ちました。

本日はありがとうございました。

戻る